成生 愛
Ai Naruse
アーティスト・音楽プロデューサー
「音は、その瞬間の空気と感情を作り出す。
私はそれを、未来に響く形に磨き上げるだけ」


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1990年、神奈川県鎌倉市生まれ
父親は現代美術のキュレーター、母親はオーケストラのチェリストという、アートと音楽に囲まれた家庭に生まれる。影響されたアーティストは、セシル・テイラー、ジョージー・ラッセル、ポール・ウェラー。
物心ついた頃から、母親の弾くチェロの低音の「響き」そのものや、鎌倉の海の「波の音」、寺の「鐘の余韻」に関心を示した。おもちゃよりも、レコーダーを欲しがり、日常に溢れる「音」を収集して回るのが日課だった。
中学、高校では母親の影響でクラシックピアノとチェロを学ぶ。クラシックの理論を体系的に習得するが、同時にリディアン・クロマチック・コンセプトの虜になる。だんだんと譜面通りに弾くことよりも、楽器が持つ「質感」や「ノイズ」に惹かれるようになる。
16歳の時、 部屋の窓から聞こえる都市の環境音と、イヤホンで聴いていたバッハが不意に混ざり合った瞬間、「空間こそが最も美しい音楽だ」と開眼。この頃から、収集した環境音とクラシックのフレーズをコンピュータで切り貼りし、ミュージック・コンクレートの制作を開始する。
高校卒業後はニューヨークの大学に進学。音楽そのものよりも、「音をどう聞かせるか」という空間音響デザインを学ぶ。在学中から、メディアアートのインスタレーション作品にサウンドデザイナーとして参加。音を立体的に配置し、空間全体を一つの「楽器」としてデザインする手法で注目を集める。この頃、トレードマークとなる銀髪のショートヘアにする。
大学卒業後、サウンドデザイナーとしてキャリアスタート。CMや短編映画のサウンドデザインを手掛ける。成生の作る音は「冷たい質感の中に、確かな体温が感じられる」と評され、映像業界で徐々に名を上げる。サウンドデザインを手掛けたインディーズ映画がグアテマラの映画祭で音響賞を受賞。これを機に、複数のアーティストからプロデュースの依頼が舞い込む。
その後、無名の新人シンガーソングライター「RAMA」をトータルプロデュース。RAMAの持つ繊細な歌声と、成生が構築した「都市のノイズとオーガニックな生楽器」を融合させたアンビエント・ポップなサウンドが注目を浴び、一躍、次世代を担うプロデューサーとして音楽シーンの最前線に躍り出る。
その後、人気ロックバンド「The Mirrors」のアルバムをプロデュース。彼らの持ち味である生々しいバンドサウンドに、先鋭的なエレクトロニクスと空間処理を施し、キャリア最大のヒット作へと導く。
成生のスタイルは「Architectural Sound」と呼ばれる。緻密なサウンドデザインに基づき、音の一つひとつに明確な「配置」と「質感」を与える。一聴するとクールでミニマルだが、その音響空間には深い叙情性が宿っているのが特徴。
「音楽プロデューサーは、アーティストの潜在意識に潜るダイバーだ」が信条。アーティスト本人も気づいていない感情や風景を「音」として引き出し、再構築することに最も情熱を注いでいる。
























